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反社会的思想の仲間?
私や久子さん、幸恵さんが顔を見合わせている中、進さんは米の御代わりをした。
「反社会的かどうかの基準は、いつも軍国主義者が決めやがる。父さん、あんたもそうだ。戦争でボロ儲けした口だからな」
「進!」「進さん!」
勝さんや奥様に咎められても進さんの罵りは止まらない。
「言論統制のせいで、才ある文学者達や思想書は世に出る事も許されない、戦意を高揚する本ばかりが本屋と図書館に並ぶ。それを後押ししてるのは、間違いなくこの家を含む戦争成金の財閥だ」
進さんの顔は恐ろしく険しい。
「国民の流した血で飯を食っているこの家は必ず罰を受ける事になる。だから昔のように機関車の計器だけ作る会社に戻すべきなんだ」
「黙れ」
そこまで言われた旦那様の顔は紅潮していた。
「お前の無責任な望みで、何百といる従業員の安定した生活は保証できない。考えが変わるまで頭を冷やせこの馬鹿者!」
食事も摂らずに席を立つ。
その姿に、忌々しそうな視線を向けたあと、進さんが久子さんを睨んだ。
「ばあや、煮物に椎茸入ってる」
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