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皆の視線が私に集まる。
私は、小皿に重ねられた椎茸を見て言った。
「勿体ないと思っただけです。…うちの田舎では凶作と飢饉の時は草の根っこも兄弟で奪い合うような状況だったので」
「草の根?!」
進さんが笑いだす。
「不幸な生活をしてたんだな? 困窮した親はお前を幾らで売ったんだ? 50円か? 80円か? それなら吉原にでも行った方が良かったろうに!」
バカにした豪快な笑い。
何も知らない、ただのボンボンの癖に。
進さんにスッと近寄った私は、
「それともお前は、ここで良い縁談でも待って……――」
まだ何か言おうとするその顔をパシッと叩いた。
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