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けれど、どこで道を間違ったのか、駅には程遠い公園に辿り着いてしまった。
まだ商店街ならば人通りもあるが、夜の公園は静寂に包まれ不気味でしかない。
河川が近くにあるのか、水の音が聞こえた。
「疲れた…」
木製のベンチに腰を下ろす。
先ほど、つい叩いてしまった進さんの顔を思い出し、罪悪感に苛まれる。
――とても、キメ細かな頬だった。きっと、誰かに手をあげられたことなんてないだろうに。
すると、先の木の間から何か物音が聞こえてきた。
同時に人影が見えて、思わず「キャッ……!」と悲鳴を上げた。
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