「雨が降りそうな雲の下」

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「雨が降りそうな雲の下」

日曜日の朝は 車一台も走っていない みんな 眠っているのかな 今にも雨が降りそうな雲の下 朝帰りの 日曜日の朝 村営墓地の墓石も 土建屋のユンボも 整列している トタンの外壁の家は 昔のまま乾いている 蛍光オレンジのウエアの二人組が 横幅のひどく薄い自転車で 追い越していく 一夜の宿の食堂で 同年代の男に話しかけられた 「孤独と自由を比べたら どちらが重いだろう」 まだ走り続ける まだ変わることができる 「楽しいことはいつか終わる 現実に還るときだ」 そんなこと知らない 現実から また楽しいことに挑戦できる 誰にも理解されないかもしれない それでも まだ変わり続ける 走り続ける 今にも雨が降りそうな雲の下 日曜日の朝 <FIN>
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