一ノ章

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一ノ章

風雅(ふうが)はさっそく、西ノ島から少し離れた小さな小さな島にある洞窟にやってきてきた。 ここには白虎の風雅に捧げられた生贄がいる。 生贄は大昔の日本の風習らしいが、神獣たちからすれば割とどうでもいい。 暇つぶしに生贄を自由に扱って良くも悪くも遊んで飽きれば、捨てるなり殺すなりするだけだ。 十六夜のように基本は放置し、中には榛名のような神子を番にする場合もある。 生贄の頻度は決まっていないが、風雅は生贄は1年に一度、若い娘を希望した。 風雅は適当に遊びまくり、飽きれば島に帰していた。 『さて今年の生贄も来てるはずだけどね』 生贄の女が逃げないように縛らて横たわっていた。
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