ニノ章

5/24
前へ
/143ページ
次へ
「亜由美〜またね!」 「紅葉ちゃんも楓ちゃんも、またね」 学校が終わると寄り道してから白虎神社へ行く。 「この間、街に行く時に貰ったお小遣い、風雅が出してくれてほとんど使ってないから奮発(ふんぱつ)しちゃった♪兄妹におっそわけするからね〜」 「うん…それはありがたいけど、買いすぎじゃない?紅葉はすぐ無駄遣いするんだから」 紅葉と楓は巫女服に着替えた。 「アンタなんでまで着替えてんのよ」 『ん~着物が汚れたらいけないからね〜』 風雅は元々着ていた服装ではなく、普通の着物に着替えていた。 「ふぅ~ん、まぁいいけど、邪魔だから帰りなさいよ」 『紅葉と一緒にいたい〜ってか、白虎神社なんだからオレを祀ってるんでしょ?(たた)えてもいいんだよ?』 「うるさいわ!」 2人のやり取りを楽しそうに聞いていた楓。 「ふふっ。紅葉、そろそろ…」 「わかってるって。楓、病み上がりなんだから無理しないでよ」 楓はパタパタと準備をはじめ、紅葉は無言で楓を真剣な目で見つめていた 『紅葉?どうしたの』 「なにがよ。そんなことより昨日みたいに風おこしやってよ」 『うん』
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加