ニノ章

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さっそく買ってきた旅行本を広げる 「すごい!すごーい!」 美晴は大はしゃぎだ。 家族たちも興味深かそうに読んでいる。 島から出られないので観光旅行本なんて興味ないし、無意味だ。 「どうして島から出られないのかな…?」 美晴は 『知ってるだろ?アヤカシは女の子攫ったり、人を襲うから人間とアヤカシに掟を作ったんだ』 「なんか…悪い事してないのに犯罪者みたい」 『…そう考えちゃうね。オレとしては自由にさせたいんだけどね。色々問題もある』 「どんな?」 『島の存在やアヤカシの存在がバレたりかな。アヤカシは街に行けるけど、掟や島の存在があるから大人しいだけ。アヤカシにとって長女だけって制限はあれど、霊力がある人間が集まる島は探しやすいからね』 「なんで長女だけ?霊力もたしか強いし」 『制限しないと女の子全員いなくなっちゃったら、人間がが困るだろ?』 「たしかに…」 『島の人間はある意味、生贄みたいなもんか…』
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