26人が本棚に入れています
本棚に追加
三ノ章
鵺のアヤカシが逃げていくと紅葉は風雅を抱きしめる
『紅葉…もう大丈夫だからね』
安心させるように、おでこに軽くキスをする
「………」
紅葉は震えていた
鵺のアヤカシが作った結界は消えたが、新たに風雅は風雅と紅葉だけの小さな結界を張った
紅葉は風雅の着物を強く掴み、胸の中で
風雅は何も言わず強く抱きしめた
『紅葉の大好きな虎ちゃんになろうか?』
「風雅がいい」
『…そう』
紅葉が泣きそうな顔で上を向くと
示し合わせた訳でもなく、2人はキスをした。
求め合うように何度も何度もキスをする
風雅はどう思っているかわからない。
でも紅葉には優しくて心が安らぐようだった。
「…なんかごめん」
『うん…』
「助けてくれてありがとう…ございます」
『戻ろっか』
手を繋ぎ、出口へ向かう
最初のコメントを投稿しよう!