三ノ章

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三ノ章

鵺のアヤカシが逃げていくと紅葉は風雅を抱きしめる 『紅葉…もう大丈夫だからね』 安心させるように、おでこに軽くキスをする 「………」 紅葉は震えていた 鵺のアヤカシが作った結界は消えたが、新たに風雅は風雅と紅葉だけの小さな結界を張った 紅葉は風雅の着物を強く掴み、胸の中で 風雅は何も言わず強く抱きしめた 『紅葉の大好きな虎ちゃんになろうか?』 「風雅がいい」 『…そう』 紅葉が泣きそうな顔で上を向くと 示し合わせた訳でもなく、2人はキスをした。 求め合うように何度も何度もキスをする 風雅はどう思っているかわからない。 でも紅葉には優しくて心が安らぐようだった。 「…なんかごめん」 『うん…』 「助けてくれてありがとう…ございます」 『戻ろっか』 手を繋ぎ、出口へ向かう
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