三ノ章

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観光ルートごとに話しつつ、お土産など渡していた。 小太郎は十六夜の孤島に行った時の街の人と同じ生活環境の違いを語る。 街と島はどれほど時代遅れているかや、インターネットで色んな情報を調べたと印刷した資料を手渡した。 紋十郎たちは興味深そうに資料を読んだ。 「あとでゆっくり読ませて貰うが」 「母さんには介護資料ね」 「ありがとう」 小太郎、楓、美晴は可能な限り、インスタントカメラで写真を撮影していた。 それぞれ見えたものが違い、興味深そうにしている 「時代に取り残された気がしたわ…」 「島の幹部たちと今後の話し合ってみよう」 「司は熱心に何みてるんだい?」 小太郎が司に尋ねるると食べた料理の写真だ。 「作れないかなと思ってな」 「司は料理上手だからね」 「あ…」 小太郎が調べた資料に目がいく美晴 小太郎はそれに気づく 夕食時になっても話はとまらず、楽しそうに話す小太郎と楓、帰ってきてからずっと興味深く聞いている両親と司。 すると美晴は話しを切り出す 「あのさ…お父さん、神社って人手不足なんだよね?」 「そうだな」 「……私、手伝いたいなって…平日ならクラスの人いないからさ……ダメ?」 「………」 直美は涙を流し、紋十郎は「ぜひ頼む!助かる!」と美晴の言葉に喜んだ。 「よかったね、風雅」 『そうだね』 まだ学校には行けないが、4年間引きこもりの美晴が外に出ようとしたことは大きな一歩だ。
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