一ノ章

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紅葉は風雅を数秒見つめ、視線を逸らした 『もしかしてオレ?』 「ち、違うわよ!虎ちゃんの方よ!」 『元はオレだし〜つまり両想いじゃん』 風雅は紅葉を抱きしめるが頭突きを食らう 『だから痛いって〜!』 「うちは白虎様を(まつ)る家柄だから…ずっと憧れてたの、白虎様に…私の初恋の人…白虎様の生贄の事を知り、私も生贄になるために、アヤカシだろうが掟だろうが無視してやったのに…」 ウットリ話す紅葉はギロッと風雅を睨みつけた 「まさかこんなのだなんて…虎ちゃんだしてよ!アンタなんか嫌い!」 『…ようはオレが好きなんだろ?その神子になれて嬉しいだろ〜』 「違うって言ってるでしょ!モフモフしたいの、それ以外は認めないわ!…って神子って私が?なんでよ、馬鹿なの?」 『もう滅茶苦茶な女だな…』 呆れながらも嫌ではなかった風雅 『神子ってのはね〜4つの島に霊力のある者を神が分けて、オレら4体の神獣と神には人間の女を神子にし可愛がっているんだが、その継ぐ子として4人の人間の女を神子にして、それぞれの島に置いたって話しは知ってる?』 「まぁね」 『神子にはオレらと同じ神通力ってのがあってな。アヤカシは霊力で上下関係や能力発揮するが、島の連中は霊力あっても能力はない。せいぜい霊力の強弱はアヤカシに嫁ぐバロメーターくらいだな』 「霊力と神通力は違うの?」 『神通力は神やオレら神獣にある力で、稀に神通力のある人間が生まれてくるんだ。神通力があると神子になる資格があるし、神やオレらと婚姻関係…つまり番になれるってわけよ』 「え!じゃあ私、虎ちゃんのお嫁さんになれるの?」 またウットリしはじめた紅葉 『……オレのな』 「それは嫌」 『だーめ。オレが紅葉を神子にするって決めたんだから決定事項なの。生意気な女がオレを風雅様と媚びる姿見たいからな〜』 「な、なにするのよ」 力づくで身動きとれないよう抑えつけてから風雅は紅葉に激しい口づけをする 風雅は獲物を逃さない野獣の目をしていた
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