四ノ章

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翌日、風雅は猫たちを連れて美晴と神社へ。 紅葉たちは学校へ行くため歩いていると声を掛けられた。 「アンタ、風雅様の神子なんですって!」 「そうだけど?」 声を掛けて来たのは成人済みくらいの女性4人組。 神子のことは知ってても、番になったことは家族とクラスメイトくらいしか知らない。 「アンタみないなのが相応しくないんだから身の程を知りなさいよ!」 「そうよ!アヤカシにでも嫁いで帰ってくんな!」「目障りってんの!」 言いたい放題の女性たちに朝から元気だな〜と耳をほじる紅葉。 「紅葉は霊力も強いし初代神子の血筋なんだから相応しいと思いますよ」 楓が慌てて反論する。神通力のことは風雅に言っていいか確認していないので言わなかった。 「たしかに霊力や家柄はいいけど、それも相応しくないじゃない!」 「私は生贄に行って白虎様に抱かれたの。アンタはどうせ貧弱な体で見向きもされなかったんでしょ?」 生贄に行ったという女性は紅葉を品定めするように全身をみて嘲笑った。 「つまり羨ましいんだ?言っておくけど私を神子にするって決めたのアイツだし私に拒否権ないんだよね。ついでにアイツは私に惚れてんのよ〜ホント困っちゃうわ〜。で、アンタらは神子にすらしてもらえなくてお可哀想にねぇ〜」 悪い顔でニヤリと笑った紅葉。 朝から気分悪いし、いいたい放題の連中に腹を立てていた。 「嘘よ!高貴な方がアンタなんか好きになるわけないじゃない!!」 女性の1人が大声で叫び紅葉に手をあげようとすると楓は「学校遅刻するから!!」と紅葉の手を引っ張って学校の方へ逃げた。 学校の校門をくぐると楓はハァハァ息を切らしながら「紅葉、売り言葉に買い言葉…すぐ喧嘩しょうとするんだから」 「私の性格だから仕方ないじゃん。でもありがとうね」 「うん」 優しい性格の楓は女性たちが怖かったらしく泣きそうにしていた。紅葉も楓に心配させたくなくて反省した。 反省はしたが性格的になかなか治らないもんだな〜…とそれはそれで困った。 残された女性4人組は怒りが収まらず、紅葉を睨みつけていた。
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