四ノ章

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司は風雅に何故かを聞かれる前にいうことにした。 「紅葉にはバレないようにしてくださいよ?紅葉はご存知のとおりアヤカシからの打診や変に付きまとわれているから、兄として白神家の次期当主として紅葉を守りたいからどっかに嫁ぐまで静香さんに告白しないって頑固に言い張ってるんです」 小太郎と静香が楽しそうに笑い合う姿を風雅と司をみつめた。 『紅葉はオレの神子で番なんだからオレが守るんだし、安心して結婚しちゃえばいいのにね〜』 「紅葉を見るに風雅様を好きになっていませんよね?とっとと紅葉を嫁にでもしてやってください。我々も安心しますし」 『紅葉は軽くないし素直じゃないからね〜そこも好きなんだけどね』 司は「時間がかかりそうだな」と思いながらこめかみを抑えた。 『2人の関係が参考になるの?』 「例えば雰囲気ですかね。風雅様と紅葉はそんな雰囲気出したことあります?」 小太郎と静香は恋人ではないが恋人のような、大人の雰囲気出しつつも甘くてお互い信頼し合って愛を育んでいるようだ。 紅葉と風雅にはない。 『オレは人間じゃないから同じになれないかな』 「紅葉は人間ですよ。人間に目線合わせましょうよ。人間なら趣味が同じだと話し盛り上がったりしますし、たぶん風雅様は紅葉としっかり話したことないでしょ?」 『………』 司の鋭い指摘に黙って通りすがりの黒猫の黒糖を撫で撫でした。 端からみれば子猫同士が戯れてるようにしかみえない。
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