四ノ章

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ハロウィン週間が始まった。 大人たちは週末のハロウィンに向け会議をしたり準備を始めるため忙しい週になる。 会議や拠点、パーティーなどは白虎神社で行う。 朝から忙しなくゴタゴタしている白神家。 学生の紅葉と楓は優雅に食事をしていた。 美晴は風雅に送ってもらい会議のお茶汲みのお手伝いする予定だ。 紅葉たちが玄関から出ると氷空が待っていた。 紅葉はアヤカシ嫌いのためキッと睨みつけたが、楓は困っていた。 『どうしたの?』 「楓さんに朝の挨拶をと…学校終わった後にお茶のお誘いをしたくですね…」 白虎様が相手だからと恐縮していた氷空 「今日は忙しいから無理よ!」 「そうね。ごめんなさい」 紅葉が強く反発し楓も本当に忙しいからと断る。 「そんな…」 氷空は落ち込む。虎のアヤカシのわりに少し弱気なところがあるようだ。 『紅葉が霊力強くてアヤカシに色々されたの知ってる?』 突然関係ない話しをされ戸惑う。 アヤカシなので紅葉の霊力の強さはわかるし魅力的なのはわかる 「もちろんです」 『霊力が強い紅葉じゃなくて楓なんだ?』 「はい。楓さんの美しさはもちろん、優しくて健気なところが素敵なんです。番に興味なかったのですが親に見つけるまで帰ってくるなと言われましたが、まさか素敵な方に会えるとは思えませんでした」 「……」それを聞いた楓は頬が赤くなる。 『ふぅん。とりあえずオレの紅葉はもちろん楓や白神家に悪いことは考えるなよ?』 紅葉が警戒しているのでわざとキツく言って威嚇をした風雅。 「はい。楓さんが嫌うことは絶対しません!」 『だってさ、紅葉』 「…………」 なんともいえない表情をしていた。 アヤカシの警戒はまだ強い。 「失礼します…」 氷空がトボトボ帰ろうとすると美晴は見兼ねて声を掛けた。 「今日は放課後に神社で栗拾いするんだよ。だから楓姉が栗のトゲで怪我しないようにお手伝いしにこない?」 「え?」 「待ってるね〜」と手を振りつつこちらに戻って来た。 「楓姉、少し話せるといいね」と耳打ちした。 楓は頷く。
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