ひかる姫君へ

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ウラシマさんはウミガメの背中に乗って空を飛んでいる。ウミガメが足を引っ込めると炎が噴射し宇宙へ飛び出した。ウミガメがまた歌い出す。 「♫ むかし むかし ウラシマは  たすけたカメに のせられて  キラキラぼしに きてみれば  えにもかけない うつくしさ ♫ 」 ウラシマさんは煌々星の高原の麓に降りていた。そこは童話のような世界だった。枯れ木には小人が登って灰を撒いている。 あたりを窺っていたウラシマさんの耳に心地良い歌声が聴こえて来た。透き通るようなボーイソプラノだ。 「♫ マイクをかついだ キンタロウ  くまにまたがり おうたのけいこ  ドドド はい ドレミ ソソソ はい ラシド ♫」 少年がクマに乗って丘を登ってやって来る。 ウラシマさんの後方から別の歌が聴こえて来た。 「♫ モモタロウさん モモタロウさん  おこしにつけた にくだんご  ひとつわたしに くださな ♫」 犬と猿と雉が隊列を組んで合唱しながら近づいて来た。素晴らしいハーモニーだ。 先頭を歩いていたおサムライが歌い出す。 「♫ やりましょう。やりましょう これから やみのせいばつに  ついていくなら あげましょう ♫」 ふくよかなバリトンだった。
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