[0] 硝子の園

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[0] 硝子の園

眸の淵をなぞるように、一筋の粒子が流れた。 弾けるのではなく、綺麗に零れ落ちていくみたいに、ぽたりと頬を伝う。 終わる予感を知らせるように届いたメールは画面上だけに存在しているからこそ、酷く呆気なく映る。 中身を一切確認することなく、タブレット端末の電源を無理にでも落としたのは、私なりに考えた精一杯の気持ち(こたえ)だった。
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