猫を拾ってきたよ

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猫を拾ってきたよ

桃の花が咲いて、中学2年ももうすぐ終わる頃、ミキちゃんは仔猫を拾ってきました。雨の中、公園でミューミューと鳴いて震えていたので、どうしても見捨てることが出来なかったのです。 白と黒のハチワレの猫。 狭いながらも一軒家だし、ペットを飼ってはいけないというルールもない。ミキちゃんはどうしても飼いたかったのです。ママやタケちゃんにも話せないことでも、仔猫になら話せる、話しを聞いてくれる、そんな気がしたのです。 「もうすぐ赤ちゃんが産まれるのだから、ママは何も世話はできないわよ」 「大丈夫。私が全部世話をするから」 「責任をもって世話をするっていうんだから、いいじゃないか」タケちゃんが応援してくれました。 猫の世話は全部ミキちゃんがする、そして、夕食作りの手伝いをするという約束で、飼ってもよいことになり、ハッチという名前をつけました。 自分専用のお話し相手ができたようで、ミキちゃんはものすごく嬉しかったです。
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