パパともう一人のお父さんとママ

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パパともう一人のお父さんとママ

ミキちゃんにはお父さんが二人います。 と言っても、今実際に二人いるのではなくて、 産みの親?いえいえ、お父さんが産んでくれたわけじゃないけど、私がこの世に生まれてくる元になった、いわゆる「実の父」です。ミキちゃんが小学校5年生の時に病気で亡くなったのだけど、ずっとパパって呼んでいました。 今でも、写真に向かって「パパ」と呼び掛けると、小さな子どもの頃に戻ったような気がします。 で、もう一人は、その後ママと結婚して、ミキちゃんを育ててくれた人。ずっとタケちゃんって呼んでいました。 元はパパの友人で、一緒にお仕事もして、パパが亡くなってからは、パパとやっていた印刷所を一人で続けてくれています。お店のチラシや挨拶の葉書などを印刷する小さな会社です。帳簿をつけるのなどはママも手伝っていたみたいですが。 タケちゃんのことを、「パパ」とか「お父さん」ってなかなか呼べなくて、ママと結婚してからもずっとタケちゃんのままでした。 ディズニーランドに連れて行ってくれたり、お土産を買ってきてくれたり、とても可愛がってくれました。 タケちゃんとママが結婚したのは、ミキちゃんが中学一年の時です。 テレビで見るような結婚式ではなくて、親戚の人が集まって食事会をして、ママは自分で縫ったドレスを着て写真を撮りました。ママはとても綺麗でした。 ママは駅前商店街の洋服屋さんで働いていて、オーダーメイドの洋服を縫う仕事をしていました。家に持ち帰って縫っていることも多かったです。 三人でドライブに行ったり、漫画映画を見にいったりしてくれて、ミキちゃんに喜んで欲しくて、頑張っていた気がしています。
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