集める者たち

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周りを見渡すと、そこは広大な草原が広がっていた。空は澄み渡り、太陽は眩しく輝いている。しかし、どこか現実とは異なる感覚がユウタを襲った。この場所は、彼が知っている世界ではなかった。 「ここは一体どこなんだ…?」 ユウタが呆然と立ち尽くしていると、背後から声が聞こえた。 「君も集める者なのか?」 振り向くと、そこには若い女性が立っていた。彼女は青いローブをまとい、手には古びた書物を持っていた。 「集める者…?」ユウタは戸惑いながら答えた。 「そうよ。私も『集める者』なの。私の名前はソラ。世界中を巡って知識を集めているの。」ソラは微笑みながら答えた。「君は何を集めるためにここに来たの?」 ユウタは言葉に詰まった。自分が何を集めるためにここに来たのか、全くわからなかったからだ。ただ一つだけ、箱に導かれたという事実だけが確かだった。 「わからない。ただ、集めなきゃいけないって感じたんだ。」ユウタは正直に答えた。 ソラはしばらくユウタを見つめた後、ふっと笑った。「きっと君の集めるものがあるはずよ。私たちは一緒に旅をすることにしない?この世界には、集めるべきものが無数にあるわ。」 ユウタはその提案を受け入れることにした。彼にはまだ何もわからないことばかりだったが、ソラの言葉に何か引かれるものを感じていた。
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