3日目

6/13
前へ
/48ページ
次へ
「はい、星ちゃん。」 「俺も!?」 「そう!二人でするんだよ~」 面倒くさそうに座る俺の横で、金魚すくいに熱中する真夏 こんなに上手かったっけ? って言うくらいに、次から次へと、金魚をすくっていく 「あっ…」 6匹目をすくおうとして、ポイが破れた 真夏は半分口を尖らせている 「おじさん、もう一つ。」 俺は財布から100円を出した 「いいよ、星ちゃん。」 「やりたいんだろ?すくいたいだけ、すくえばいいよ。」 おじさんから貰ったポイを真夏に渡すと、嬉しそうに笑った その時、小さい頃の真夏を思い出した バドミントンの羽根を、よくお互いの家の間にある坂に落としてた真夏 俺が柵を越えて取りに行き、『続きをしよう。』と羽を渡すと 今みたいに、嬉しそうに笑っていた そんな真夏が 俺は好きだったんだ
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加