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左手は俺と手を繋ぎながら、右手に持っている金魚の袋を見て、真夏はご機嫌だった
「次は何しようか。」
そう話しかけると、キャハッと子供みたいな声をあげた
「なんか、小学校の時に戻ったみたい。」
クスクス笑う真夏に、ドキドキしながら近づいた
「俺もそう思う。」
そう言って、今度は二人で照れながら歩いて
とにかく、会えなかった4年という月日を、埋めていってるような気がしたんだ
そんな時、二人の距離を引き離す声
「立花君。」
「平賀さん…」
黙りこむ真夏に、ゆっくり近づく彼女
「へえ~。本当にこの子と来たんだ。」
「うん。」
俺は真夏と平賀さんの間に入った
「これ見よがしに、浴衣なんて着ちゃってさ!」
「やめろってば!」
自分でも不思議なくらいに、真夏をかばっていた
「いいわよ!どうせその人、もう少しで自分の家に帰っちゃうんでしょ?」
悔しそうに、平賀さんは叫んで、どこかへと消えてしまった
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