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不思議に思いながら、家の門をくぐった
「ああ。おかえり、星太。」
「ただいま。」
母親に気のない返事をして、自分の部屋へ行こうとした
「そう言えば、星太。真夏ちゃんって、覚えてる?」
俺の足が止まる
「うん。覚えてるよ。」
さっきまで、ずっと一緒だった
「真夏ちゃんの家、お父さんの仕事の都合で、海外へ転勤になるんですって。」
今度は息が止まった
「海外?」
「そうなのよ。
真夏ちゃんのお母さんから、電話があってね。今までお世話になりました~って。」
真夏が海外へ行ってしまう?
それこそ ウソだ
「真夏のばあちゃん家って、すぐ側だったよな。」
「おばあちゃん家?ああ…そう言えば、そうだったわね。」
俺はまた玄関で靴を履いた
「星太?こんな時間にどこへ行くの?」
「真夏のばあちゃん家。」
「ええ!?」
母親が何を言ってるかも気にせずに、俺は外へ出たんだ
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