ミカと私とケン君と

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ミカと私とケン君と

「ねぇ、今日、ミナミのうちに遊びに行っていい?」  制服のスカートの裾をヒラヒラさせて振り返ったミカがわたしに聞いてきた。今日も長い髪の毛がとても綺麗だ。ミカはクラスでも、目立つタイプの美人で活発な女の子。あたしとは正反対。 「いいよ…。」 「そうだ、中間テストの勉強しようよ。先生役、誘っていい?」 「い、いいよ…。別に…」  そんなミカはケン君が好き。その事はみんな知ってる。だから私は言えないんだ。私もケン君が好きだって。  嫌な予感。まさか、まさかね…。  ピンポーン。  玄関の呼び鈴がなる。  急だったから学校から急いで帰り、家についてあわててリビングの掃除と整理整頓をした。時間がなくて自分の部屋の事までは手が回らなかった。  まあ、いっか。部屋に行かなきゃいいもん。  ママはパートでいないし、リビング使っても問題ない。 「いらっしゃい…」  マンションの玄関の扉を開けたらやっぱり予想通り、ケン君もいてビックリ。  ミカと加島くんと、ケン君の三人…。  やっぱりね…。  ミカはケン君が好きだからもしかしたらって予感がした。  加島君は学年トップの秀才。ケン君だってその辺を行ったり来たりする運動も勉強も出来るマルチなカリスマ君。  そして二人ともクラスの中心的人物。 「お邪魔しまーす」  ミカはしょっちゅううちに来るから遠慮知らずでズカズカと上がってくる。  勝手知ったる我が家のように洗面所やトイレを自由に使い、トイレの場所を彼らに教えてあげたりしてる。  リビングのテーブルの周りに座布団を並べて用意してた紅茶とお菓子を並べた。 「あ、このクッキー駅前の美味しいやつだ。」  ミカがひとくち頬張りながら一つをケン君にとってあげる。 「ほら、美味しいよ?」  ミカが微笑むとケン君が爽やかに笑顔で返す。 「うん、サンキュ」 「さあ、早速取りかかろう。」  加島君がメガネのフレームに指を添え、クイッとあげてスイッチが入る。  だけど少しするとミカが、はぁーっとため息。 「ねぇ、少し休憩しない?」 「え?今始めたばかりだけど?」  加島くんが呆れた顔でミカに突っ込む。 「あー、なんか気分変えない?そうだ、ミナミの部屋でやらない?またあの漫画見せてよ。あれ、続き買った?」
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