見られた!?

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見られた!?

 なんと、あの蓋をしたはずの木の箱の蓋が空いて本を片手に持ってるミカの姿。 「あ!」 「あぁ、ミナミ、これテーブルかと思ったら物入れなんだね。移動しようと思って動かしたら蓋が開いちゃって。この本、面白そう」  本を開いてパラパラとめくってる。  ヤバい。その箱の中、見られたくないのに。だって…。 「あ、だ…め…」  声が出なくてちゃんと言えなかった。 「おまえ、何勝手に開けて見てんだよ」  そのタイミングでケン君がミカの隣に近づきミカを睨み付けた。 「平気だよね、いつも遊びに来てるし」 「そういう問題じゃねぇだろ」 「なにこれ?チョコ?なんだ、入ってないじゃん」  カラカラと、箱を振る。どうしよう。あの中には、渡せなかったチョコレートのハコのなかに、ケン君への…  ミカがチョコの蓋を開けた。 「え?ケン君の写真?え、これって…」 「あ!ダメ…」  ミカの手にはヒラヒラさせてる写真。あわててそれを取り上げ背中に隠した。見られた?よな…。  多分あたし今、顔が真っ赤だ。  ケン君が、ミカからその開けたチョコの箱をさっと奪った。  見えちゃったかな…。中身。  封筒の真ん中に書いてあった宛名。 『ケン君へ』  ちゃんと全部、蓋をしたはずだったのに。思い出も、この想いも、全部集めてそこに詰め込んでちゃんと蓋をしたはずだったのに。  蓋があけられたと同時に、想いまでが出てきてしまった。それと一緒に涙も。 「ち、違うの、これは…」 「え?何々?どうしたの?変な顔して」
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