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この指とまれ
クラスのみんなを、ケン君が見渡すとみんなシーンとなった。
「どうなの?るり?あんなに仲良しだったじゃん、昨日まで。みんなはこれ見てなんとも思わねぇの?」
ケン君がみんなやるりちゃんに問いかける。
「あ、あたしは…」
るりちゃんが困った顔をした。けいこちゃんがるりちゃんを睨み、るりちゃんに圧をかけてる。
「るりはあたしたちの仲間だもんね?」
「なんだよ、ミナミは?仲間じゃねぇの?」
「るりがミナミと仲良くするならもう、るりも抜けなよ。」
けいこが低い声で言うと加島くんが、一言。
「それって脅しじゃね?そうやって引き留めてそばにいさせるんじゃ、それ友達って言わないよな?」
するとるりちゃんが小さな声で呟いた。
「あたしは…やっぱりミナミとも仲良くしたい。」
クラスのみんなの視線が集まる。
「じゃあ、るりはグループ抜けるんだ?」
けいこが怒った顔で言う。
「いいじゃん、じゃあ、俺たちと新しいグループ作ろうぜ?」
ケン君がそう言って人差し指を立てた。
「仲良くしたいやつ、この指とまれ!」
そう言いながらケン君が私の人差し指を手のひらで握ったまま、自分の人差し指を立てた。
「俺入るー。」
ケン君の人差し指を加島くんがつかんで人差し指を立てた。
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