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人喰い
それでも竜のいたずらは収まらず、竜の人喰いは辺りの八つの村まで広がっていきました。
「お父さーん、お母さーん」
「トキー、オモー、ウミー」
親を飲まれた子供たちは泣きながら親を探し、子を飲まれた親は子供の名を叫びました。
困り果てた村人たちは相談しました。
「これはもう、わしらから子供をいけにえに差し出して、竜に大人しくなってもらうしかないのう」
それからは子供を竜に差し出し、これ以上いたずらをしないようにお願いすることになりました。
しかし竜のいたずらは終わることがありません。
村々はどんどん貧しくなり、人は少しずついなくなっていきました。
「あー、そろそろ飽きてきたなあ。もっと驚くこと、もっとすごいことはないかなあ」
竜が大きなあくびをしていたそのときです。
ゴゴゴゴと地響きがすると大地が揺れ、空には暗雲がゴロゴロと立ちこみました。
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