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校舎内は授業中とは思えない程騒がしいし、平気な顔で廊下を歩いてる人達がたくさんいた。
⋯⋯⋯これでどうやって卒業するんだろ、この人達。
そんな疑問が浮かぶけど、おかげで私はすんなりとここに入れているんだからありがたい。
⋯⋯⋯⋯冷はどこだろう?
とりあえず2年生の教室を探したらいいかな。それとも冷もどこかでサボってるのかな?
なるべく人目につかないようにコソコソと歩きながら、とりあえずと階段を上がった時だった。
「⋯⋯は?」
上の方からそんな声が聞こえて反射的に顔を上げる。
⋯⋯⋯⋯あ、どうしよう。
これは早速知り合いに会えてラッキー、なのかな?それともまずい?
彼は少しだけ戸惑っていた。昨日の派手メイクをしていた私しか知らないから、いつもの姿の私に自分の認識をしばし疑って考えている。
だけどそれもほんの僅かな時間だった。自分を見て固まる私に確信したらしい。
「なんでここにいんの?」
朔也さんは目を見開いて私を見ていた。
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