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「⋯⋯ん⋯⋯っ」
———————え?
突然の艶めかしい声に一瞬自分の耳を疑った。
「あっ⋯⋯冷くん⋯っ」
恐る恐る視線を中に向けると、窓際の机の上で男子生徒と女子生徒の影が重なっていた。
そこにいるのは⋯⋯⋯⋯間違いなく冷。自分の膝の上にいる彼女のシャツの中に手を入れて、彼女はその手が動くたびによがってる。
「んっ⋯⋯ねえ、なんでそんな上手いの?まだ上だけなのに気持ちよすぎてやばいんだけど」
「⋯⋯⋯⋯」
冷は整った顔をぴくりともさせずに更に彼女の身体に触れる。
⋯⋯どうしよう。こんな場面を見るのなんて初めてで、しかも1人は小さい頃から知ってる冷で、気付かれたわけでもないのにとんでもなく恥ずかしい気持ちになる。
シャツがはだけた冷の首筋に、女の人の唇が落ちる。その大人の雰囲気に、冷の男の部分に、私はどうしていいかわからなくて目を逸らす。
「⋯⋯っ」
それに⋯⋯何だろう?
言いようもなくモヤモヤして、その場面を見るのをこれ以上耐えられなかった。私の知らない冷、女の人とそういうことをする冷。
そういえば昨日も——————————すごく可愛い子とキスしてた。
「ねっ⋯⋯はやく挿れて?もう限界」
え、待って。待って待って。
もしかしてこのまま最後までしちゃうの?
それはさすがに⋯⋯!
「冷!!」
私は勢いに任せて扉を思い切り開けた。
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