ステージ

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ステージの中央に立つ女性アイドルは、まばゆいばかりのライトに照らされていた。彼女の名はアゲルディ。鮮やかなエメラルドグリーンのドレスにはスパンコールが散りばめられており、ライトに反射してキラキラと輝いている。ドレスの裾はふんわりと広がり、動くたびに軽やかに揺れる。 ステージ全体は、カラフルなライトで彩られている。ピンクやブルー、パープルのライトが交互に点滅し、幻想的な雰囲気を作り出している。スポットライトが彼女を追いかけ、彼女の動きに合わせて光が踊るように変わる。 彼女の歌声は、会場全体に響き渡り、表情には自信と情熱が溢れているが、その奥には一抹の苦悩が見え隠れしている。マイクを持つ手は震え、彼女の目は輝きながらも、時折遠くを見つめるような切なさが漂う。 歌詞は、希望と夢をテーマにしたもので、彼女の心の内を素直に表現している。彼女は、過去の困難や挫折を乗り越え、未来への希望を歌い上げる。その声には、喜びと切なさが交錯し、聴く者の胸に深く響く。彼女の目には一瞬、涙が浮かぶが、それはすぐに笑顔に変わる。 観客の歓声が高まり、彼女のパフォーマンスに応えるように手拍子が響く。しかし、観客の数は少なく、彼女の名前を知る者もまだ少ない。彼女はステージを自由に動き回り、時折観客に手を振る。その姿は、まるで夢の中のプリンセスのように美しいものの、思ったようには届いていないと感じていた。 この日も、ステージのあと、マネージャーから叱られてしまった。 アゲルディは、肩を落として家に帰る。背中を丸め、足は重かった。矢張り、こうして仕事で疲れた時は、家に帰ってお友達とゆっくり歓談するに限る。
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