星のかけら

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 そんなわけで、僕は独り、草原で寝そべって夜空を眺めている。別に、流れ星を見ることが一番の目的では無い。  ここで、ぼうっとする理由がほしい。ただ、それだけ。    願い事?そんな物は無い。まず、少しでも瞬きをしている間に通り過ぎてしまう流れ星に、何を願えばいいのだろうか。  空では、星々が輝きながらおしゃべりしていた。その中の、青く光る少し大きな星を、僕は眺めていた。  ヒュルリ。風の音が気持ちよく僕の耳をくすぐる。  なにもおこらないな。  そう思ったとき。  「こんなところで何をしているんだ?」  頭の後ろで声がした。  急いで身体を起こして、後ろを向くと身長の高い男が立ってた。身には、探偵が着るような茶色いコートを羽織っている。顔はシュッとしていて、冷静な表情をしていたが、その瞳には、どこか温かいものを感じることができた。  「僕の相手なんてしてくれなくていいよ」 心よりも先に身体が喋った。    「なぜそんなことを言うんだ?僕たち仲間だろ」 男は優しく僕に声をかける。と同時にさっき僕が寝そべっていた場所の隣に腰掛けた。 「な。お前も座れよ」 そう言われて、僕は一瞬迷ってからその隣に腰掛けた。  この男からは僕に対する敵意を感じなかったのだ。  いつも、僕は仲間はずれにされて、嫌われる。時には暴力を振るわれることもある。  でも、この男は僕にそんなことはしない。とっさにそう感じ取った。
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