きみとわたしの特別

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蓮くんの言葉にぽかんとしてしまうわたし、今までで一番間抜けな顔をさらしてると思う。言葉の意味をすぐには理解できなくて、消化できずにきみの声が脳内でさまよってる。 行き場のない言葉、わたしの空っぽな頭じゃ全然理解ができない。聞きたいことが多すぎるんだ。 「蓮くん、」 「うん?」 「……わかんない、何も、」 「はは、手ごわいのはわかってたけど、予想以上」 手ごわい、なんてなんのこと。言葉に似合わずきみは余裕いっぱいに見えるよ。そもそもこの状況も何も、意味わかってないんだよ、わたしは。 肘をつくのをやめて正面から向き合うと、改めて整った顔がやっぱりまぶしいくらい綺麗で、直視ができない。目を軽く伏せて小さく笑うのは、どういう意味なんですか。 「……理咲の理想かなえるのは俺じゃないと嫌だって思ったんだけど、伝わる?」 「……わかんない、だって、それじゃ、」 「“好きなひととならどこでもいい”だけは俺がかなえられるかわからないけど」 ……ここまで言われたらさすがのわたしもわかる。けど、わたしと蓮くんに一般的なことを当てはめてもいいのかわからない。自意識過剰かもしれないし、期待して落とされるのは嫌だし......。 それにきみの好きなひとはわたしじゃない。 見てきたからわかるの。追っかけてるひとは、わたしのすぐ近くにいる。その優しいまなざしをいつも向けているひと、わたしじゃない。
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