ほらね、今日もまた、

きみとわたしの特別

「……蓮くんは、」

怖くて、思っていた、口にできなかった言葉をぶつけてみる。これは賭けだ。

「蓮くんは……果音のことが好きなんじゃないの？」

聞いておいて、やっぱり反応を見るのは、返答を聞くのは怖い。臆病なわたしはぎゅっと目をつぶった。「そうだよ」なんて本人から言われたらしばらく立ち直れそうにない。

「……なんでそう思うの？」

「だって、蓮くん、いつも果音のこと見てる」

「ああ、うん、ずっと見てたよ。羨ましくて」

ほらね、と言いかけて、最後の一言で口が止まる。“羨ましくて”。その一言が、わたしの質問にNOを突き付けた気がした。相変わらずふわりと優しく笑う蓮くんに、嘘はない。

「理咲の隣にいつもいられて、俺と変わってくんないかな、ってね」

「……っ」

「女々しいかな、嫌いになった？」

「な、なるわけ……っ！」

「じゃあ好き？」

「……そんな聞き方、ずるい」

余裕いっぱい、わたしをからかうように、きみのペースにのまれていく。飄々とわたしをかわして、わたしばっかりがどきどきしてる。