今日もきみの瞳に映らない

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……ほらね、今日もまた。 そんなあからさまだと、わかってても傷つく。いや、ジロジロ見てたわたしが悪いんだよ? そんなことわかってるから余計自己嫌悪する。 ごめんね、きみが目で追ってしまうのはわたしじゃないもんね。 わたしの視線に気がついてこっちを見たのか、それともいつも通り"好きなひと"を目で追ってしまったのか、どっちだろう? どっちにしても可愛いの具現化さんはなんにも気づいてない。さっき、彼氏作らないだけ、なんて言っていたけどその鈍感さじゃきっと一生できないよ、なんてね。 でもこの調子じゃ、わたしも一生彼氏なんてできない。小中高、ずっと追っかけてきたひとに振り向いてもらうことなんてできないのに、諦めきれない。他のひとを考えられないの。 気づいたら、好きだったの。いつからなんてわからない。 かっこよくて、優しくて、話しやすくて、誰にでも好かれて、おまけに頭も良いし運動神経も抜群で、中学はバレー部のキャプテンでエースだった。 こんな漫画の中にしか出てこないようなひと、最初はただ憧れて見ていただけだったのに、わたしには似合わない感情を抱くようになってしまった。 気づけばきみを目で追って、名前を呼ぶだけで、呼ばれるだけで、話すだけで心臓がうるさくてたまんなくなるの。 わたしだけがきみと一緒にいたいな、その笑顔、ひとりじめしたいな、なんて。誰かにそんな感情を抱いたのははじめてだった。 ……だけど、わたしの恋は叶いそうにない。
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