きみとわたしの特別

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「……今日、部活は?」 精一杯絞り出したのは、たったこれだけ。これだけ聞くのにもどきどき鳴る心臓の音は速くなっていくばかりだ。うまく笑えないし、自然じゃないし、きっとそっけなくて自分で自分が嫌になる。 「今日はオフ。大会終わったから休みなんだ」 あ、大会、あるんだ。終わったんだ。蓮くんは出たのかな、どうなんだろう。やっぱりわたしなんにも知らない。 「そうなんだ。いつもお疲れ様」 「ありがと」 会話、終わっちゃった。昔の方が自然に喋れてたな。元々そんなに上手に話せる方ではないけど、意識しすぎて言葉が綺麗に出てこない。相変わらずくるくるペンを回す蓮くんは、どこか何か言いたげ。 久しぶりにこんなに近くて、久しぶりに蓮くんがわたしだけを見ているのに、期待通りの言葉も気持ちももらえるはずないからちょっとだけ沈黙が辛い。 好きなひとと二人の空間、好きなひとの瞳に映るのはわたしだけ、それでもきみが見ているのはわたしじゃないとわかるから。 「──理咲に質問があってさ」
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