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小野寺結衣
……やばい、どうしよう。
教室の自分の席に座って、カバンにしまおうとノートを手に取った結衣は、パニックになっていた。
ノートの表紙には、「天沢翔」の文字。
ノートを開くとそこには丁寧に授業のノートがとられていた。
もちろん、結衣のものではないーーそして、カバンにしまうつもりだった結衣のノートは、結衣の手元にはなかった。
ノートの色が同じだったため、結衣は表紙を見るまで自分のノートでないことに気づいていなかったのだ。
ノートが入れ替わったとすれば、あのときだろう。
ーー話はつい5分前に遡る。
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