小野寺結衣

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 昼休み。図書室にいた結衣は、ガタッと椅子を動かす音ではっとなって時計を見た。  13時17分。まだチャイムが鳴っていない時間であることを知って、結衣はホッとする。  集中すると時間を忘れそうになるのは結衣の悪い癖だ。まあ、そうは言っても、授業に遅刻するといったことはしたことがない。結衣は基本的に真面目な性格なのだ。    結衣は、机の上に開いていたノートを閉じ、鉛筆を筆箱の中にしまって、椅子から立ち上がった。  図書室を出た結衣は、少し急いで教室に向かう。  結衣の学校では、5時間目は13時25分から。授業の開始時刻までにはまだ余裕があるとはいえ、その5分前には予鈴が鳴る。  それまでに席に座っていなければならないわけではないが、予鈴が鳴るとみんなが席につき始めるので、あまり遅いと目立ってしまう。  目立つことなく過ごしたい結衣としては、早めに教室に戻っておきたい。  そうして小走りになっていたのが良くなかったのだろう。  廊下の曲がり角に差し掛かったとき、結衣は向こう側から来た人影とぶつかってしまった。  相手も少し走っていたようで、ぶつかった拍子に、お互いが手に持っていたノートや教科書などが床に散らばる。
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