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そんな結衣の思いも虚しく、結衣はノートを持って教室を出た途端に翔につかまった。早めに授業が終わって、教室の外で待っていたようだ。
「ごめん、ノート取り違えてたみたいで。」
翔はそう言って、結衣にノートを差し出してきた。
……中身については何も言ってこない……もしかして、気づかれてない?
そんな希望を持ちつつ、結衣の方も翔にノートを手渡す。
「ありがとう。こちらこそ、ごめんなさい。」
「あの……、放課後、ちょっと時間あるかな。ノートのことで聞きたいことがあるんだけど。」
そう言われた結衣には、もちろん選択権などなかった。
人がいない場所でということで、美術室で会う約束をした。
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