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2日目
今日も変わらず、明かりのついた部屋に鍵を差し込む。
けれど、今日は鍵が開いていた。
こういう時は、大抵お決まりのことが起きている。
想像がついている俺がそのまま家に入り、妻の待つリビングに行くと、いつものように妻は座っているがその笑顔は心なしか曇っていた。
「ただいま」
俺が言うと、妻は微笑むが、やはり元気がない。
テーブルの上に並んでいる夕飯も、妻の手作りとは違い、妙に煮物系や油もの系のおかずが多い。
俺が学生時代に好んではいたが、いい年になった今となっては好まないおかずたち。そのご飯たちだけでも察せられていたが、夕飯の横にあるメモ書きに、俺は確信をする。
『おかえり、お義母さんが、来ていたよ』
「そうか」
俺は小さくこぼして、夕飯を食べる。
いよいよ、俺は決断を下さねばならない。
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