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「アルファ女は両性具有ってほんとだったんだ。ちょっと小さいけど、ちゃんと勃起したちんこじゃん。勃ってないときもやっぱり他の女のひとより大きいの?」
「っふあ、し、知らな、」
「パンツの布面積小さすぎて収まってないよ。わかる? かわいいパンツ破る勢いで自分がおっ勃ててんの」
耳もとで囁かれる声は痺れるような毒を孕んでいる。嘲るように片頬が歪む。
勃ち上がった性器によって下着がテントを張ったように浮いているのは、スカートで隠されていても明白だった。
脚の付け根の内側、下着と肌の隙間から侵入する手。熱く滾ったそれを乱暴につつむ、ぬるい手のひらの感触。
「んんっ」
根元から先端へ、扱くように上下する、一度、二度、三度。濡れた音がそのたびにぐちゅりと鳴りペールブルーの壁に反響して、それで、それで。
「あぁ……っ!」
彼の手のなかで、私のそれは呆気なく、達した。
どくどくと流れ出す吐精感に全身が震え、緊張し、弛緩する。すべて吐き出し終えたあと、気持ちが一気に緩んで、涙が溢れた。
「早漏すぎでしょ、ウケる」
けれど彼は泣いている私よりも、私が出したもののほうに俄然興味があるらしい。
べっとりと手のひらを汚した白濁液を、顔のそばまで近づけて観察している。まるで自分が(つまりは、一般的な男性が)出す一般的な精液との差異を確認するかのように。
私は燃えるような羞恥心に顔が真っ赤になっていくのを感じた。
「やだ、見ないで、お願い、」
「見た目普通の精液っぽいけど。これって精液って呼んでいいやつ? ちんこから出てきたんだから精液か。何か特別な名前とかある?」
「知らないっ、はやく拭いて、汚いからっ」
手を自由に動かすことができたなら、ベッド脇に置かれているティッシュですぐに拭き取って、めいっぱい握力をこめて丸く握り潰して、くず入れに放ってしまうのに。拘束されている身では、見ていることしかできない。
よほど珍しいのか——たしかに、アルファ女性は数が非常に少ないとされている。私も自分の親族以外で、アルファ女性に出会ったことは、今までに数えるほどしかない——汚れた自分の手をしばらくのあいだつくづくと眺めていた彼は、あろうことか、その手を自らの口許へ持っていった。
「うあああっ! なななななにを、」
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