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オメガの女性なら見てきた。大学生になった今、たとえば知人同士でおおっぴらに第二の性を明かし合うことはけっしてない。誰にとってもメリットがないからだ。アルファ・ベータ・オメガの別は、ただの性別ではなく、動物としての序列をまで意味するから。
けれど、小学校高学年から高校までの思春期、心身ともに不安定な時期において、第二の性を完璧にコントロールするのは困難である。だから先生や親に言われるがままにお互いに第二の性別を隠していても、わかってしまうことはあった。
同級生、部活動の後輩、習い事で一緒になる少し年上のお姉さん。オメガの女の子は少なからず私の生きてきた社会に存在していた。みんな可愛らしく、か弱く、どことなく昏い色気があった。定期的に一週間ほど姿を見せない子がほとんどだった。
発情期。愛嬌の良いあの子も、すまし顔のあの子も、狂ったように熱くなったからだを抱いて、芯から湧き上がるような性的欲求に耐え忍んでいるなんて、考えただけでなんだかぞくりとしたのは、アルファという性のためだろうか。
彼女たちの発情に触れていたら、私は、彼に対してそうだったように、途方もない劣情のままに、彼女たちが欲しいと切望しただろうか。
——かわいいね。
どこまでも嘲るような音で響いた言葉にすら、私の胸は痛いほどに高鳴る。
無意識に下半身に手が伸びる。身を包むもこもこのルームウェア、足を殊更に強調するようなショートパンツは女の子の特権であると信じているけれど、その手触りの良い布地の下にはおよそ女の子らしいとは呼べない状態に大きく膨らんだ性器が、触れられることを待ち侘び、むずむずと身を震わせているように見えた。
彼に指摘されたとおり、一般成人男性の平均的なそれに比べるとけっして大きくはない。私のなかの数少ないサンプルである、以前付き合っていた男のひと(彼はベータで、私たちはひどい別れ方をした)のものに比べても小さい。
でも、中学生になった頃、胸が張り出し丸みを形成していくのに少し遅れて、小さな芽は徐々に成長していった。いつしかショーツを履いているとうっすらとその形がわかるほどになってしまったから、私は小中学一年生以来水着を着ていないし、体育着に着替えるときはショーツが絶対に見えないよう細心の注意を払った。
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