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でたー、母ちゃん得意の安請け合い! ボランティア精神に溢れた晴海の母親は、当人自身も町内会活動だママさんバレーの会長だ婦人消防団だのと様々な活動をしているのだが、それに飽き足らず、自分と同等レベルの働きを家族に強いるのだ。 ところが、引っ込み思案な父や、自身にとって無益なことはしない主義の兄は、母の熱いボランティア魂になかなか応えてはくれない。だから、しわ寄せはもっぱら晴海に来る。たとえば晴海がこの母の実家であり祖母の住まいに居候をしているのも母のお節介によるもので、晴海は高校まで自転車で片道五分という好立地のこのに家に置いてもらい食事の面倒を見てもらう代わりに、祖母専属の何でも屋兼ガードマンを無償で引き受けることになったのだ。 『そういう訳だからよろしく!』
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