選択のテーブル

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「次のお料理は、未来をお作りしております。お客様がこれからどのように歩まれるかによって、その一皿も変わってまいります。どうかご自身でお選びください。お客様の未来は、まだ空白のキャンバスにございます」 彼は静かに立ち上がった。その言葉を噛みしめながら、ユージィは店を後にした。外に出ると、夜の風が彼の頬を撫で、まるで新しい一歩を歓迎しているように感じた。今の自分を捨てるわけではない。むしろ、過去を糧にして、これからの未来を自分の手で切り開いていく。そう決意した瞬間、心が少し軽くなった。 「ただいまお作り致します……か」 ユージィは自分自身の帰還を感じ、未来への一歩を踏み出す決意が固まっていた。次の料理がどのようなものになるかは、これからの彼の選択次第だった。
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