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「連続放火犯って、知ってる~?最近ニュースを賑わせてる奴っ!怖いよね~」
「瑞希。何か言いたいことがあるなら、はっきり言って。私、そういうの鈍いから」
昼休みになって、瑞希は私に声をかけてきた。私の顔を一目見た瑞希は、ひえっ、まだ怒ってるじゃん、と声を上げる。
瑞希から見た今の私の顔は、ムンクの「叫び」か、はたまた、ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」か。
「あの!この前は、ごめん!あたし、なにか悪いこと言った自覚は無くて、その………。」
「わかった。わかった。もう、そのことは怒ってないから」
「ほんとう?」
「本当。まあ、私も少し子供っぽかったっていうか?そのごめん」
「なんだあ、良かったああ」
そう言って、瑞希は私の首に腕を絡ませて、上下左右に揺らす。
苦しい、苦しい!と声に出すと、瑞希は、ケラケラと笑った。
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