衝撃的な初対面

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衝撃的な初対面

◇ そうして、一日千秋の思いで待ち侘びた懇親会当日。 いよいよ、各拠点のメンバーが都内某所に一堂に集まる。 元々BCP(事業継続計画)対策の一環として、災害時の事業継続の為にリスク分散をする意味で全国に拠点が設けられている我が社。 宮城、東京、神奈川、大阪、広島、福岡。 今回のメンバーは、東京と神奈川から各2名、その他拠点から各1名ずつ選抜されている。 わたしは都内、彩葉さんは神奈川(横浜)。 一度顔合わせしてしまえば、会いたければいつでも会える距離である。 なんとしてもお近付きになるぞ!と、気合いで両拳を握る手にも力が入る。 それだけじゃない。 これまでお世話になったことや、 教えていただいたこと。 フォローしてくださったことなど、 あれやこれやのお礼も、直接改めて伝えたい。 いきなりレベチなプロジェクトに放り込まれて、どれだけ心細かったか。 彩葉さんの存在に、どれだけ救われたか。 そして、わたしがこんなにも彩葉さんをお慕いしてるということを…!! (恋愛対象は男性です、ねんのため) (ああでも彩葉さんならそれもやぶさかではないというか) (それってなに) とにかく気を取り直して、懇親会会場となるお店のドアの前、目を瞑り、ふう、とひとつ深呼吸をした。 「―――っ、よし!」 いよいよ、対面の時。
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