衝撃的な初対面

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雰囲気づくりの為か、やや薄暗い店内。 心地よいラウンジミュージックに、緊張の糸がふっと緩む。 「おーい、こっちこっち」 店奥から、顔馴染みのプロジェクトリーダー沖さんの呼びかけに、思わず安心の笑みが零れた。 その場で軽く会釈をし、足早に呼ばれたテーブルの一角に向かう。 「よし、これで全員揃ったね」 ―――ん? わかりやすく眉をしかめ、首を傾げたわたしに「ああ、」と沖さん。 「他部署の奴らはそのうちぼちぼち揃うから。 プロジェクトメンバー8人は、これで全員集まったよね」 8人…? 1、2、3、4、5、6、7、───8。 目線で確認した後、更にダメ押しで人差し指で確認。 「あれ、どうかした?」 今度は沖さんが首を傾げる。 「───彩葉さんが、いないです」 たしかに、わたしを入れてここには8人いるけれど。 わたし以外の7人は、どう見たって全員男性だ。 「えっ…?」 ここにいるけど?とでも言いたげに、沖さんと、その他5人の視線が、ある人物に注がれた。
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