衝撃的な初対面

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たしかに、「忍」は男性にも多い名前だ。 お互い勘違いしてたから、たまのやり取りで 「同性愛者ではないけれど、彩葉さんのことは愛してます」 とか、 「性別変えて結婚したいいい!!」 とか、 今となっては勘違いも甚しい愛の叫びに、異論を唱えられなかったわけだ。 プロジェクトのグループチャットでも彩葉さんに懐いてはいたものの、好き好き大好き!みたいなやり取りは個人宛でやっていたため、周囲がわたしの勘違いに気付かなかったことも災いした。 (そう、これも災いです) そりゃあね、ジェンダーレスなこの時代、男も女も関係ないっちゃない。 だけど、これまでの3か月のやり取りで、全くもってなんの違和感も覚えなかった…ということは。 わたしには女子力のカケラは一片も感じられなかった、と。 そういうことですよね、彩葉さん!? 「―――それはいくらなんでも失礼が過ぎませんか」 「お互い様だろ。 俺のどこにカマ要素があるって?」 わたしの描いていた彩葉さん像は。 めっちゃ美人で背も高くて、スタイル良くて髪もサラサラで… 「…合ってるな?」 「は?」 何言ってんだこいつ、みたいな若干の蔑みを帯びたその眼差し。 「それ、彩葉さん(女性)にされたかったぁぁぁ」 「まじ意味わかんないコイツ」
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