122人が本棚に入れています
本棚に追加
「み、湊・・?」
「俺の前で無理すんなよ」
耳元で感じる少し掠れた声が、鼓膜をくすぐる。
「・・私、そんなに無理してるように見える?」
「見えるからこうしてるんだろ。朝からずっとだ」
あの話を聞いてから、ひたすら私を支配していたのは凪さんの存在だった。
私にとってそれはそれは大きな存在であり、今の私の”絶対”でもある。
知れば知るほどに、私は揺れる。
「・・ありがとう。でももう大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけ」
「・・本当か?」
「うん」
小さなため息混じりに離れていく温もり。
少しの名残惜しさ。
最初のコメントを投稿しよう!