発熱

11/34
前へ
/399ページ
次へ
そうしていつも通り無言の車内。 チラッと見た湊はやっぱり無表情。 クマをギュッと抱きしめて、流れる景色をただ見つめていた。 目の前を通り過ぎていくネオンがいつもより眩しく感じたのは、きっと気のせいなんかじゃない。 外の世界は驚きと刺激に満ちていて。 だけどそのどれもが良いものであるとは限らない。 良いことと悪いことは表裏一体。 良いことだけを見ることも、悪いことだけを遠ざけることも、難しい。 だってこんなにも情報で溢れているんだから。 それこそ監禁でもしないといけないのかも知れない。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加