発熱

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昨日より少し早い時間に倉庫に着いた。 当然、さっきまで仕事をしていた凪さんはまだ来ていない。 そのことにどこか安心する自分が居た。 どんな顔で会えばいいか、今はまだわからなかったから。 湊は下の人たちに用事があるらしく、私を上に連れて行くとすぐに下りていってしまった。 淳一君と誠君はバイトに行ったらしく居ないし、上のソファーで1人クマを抱いてボーッと過ごしていた。 特になにも考えない。 考えたところで答えなんて出ないのはわかりきっている。 ー・・答えは全て、凪さんの中にある。 人は衝撃が強すぎると、逆に冷静になれるのだと気づいた。
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