引き金

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「・・で、お前は何をしていた?」 リビングで突っ立ったままの湊に声を掛けると一瞬ビクリと肩が上がる。 「もちろんもう誰がやったかわかったんだろうな?」 「・・いや、まだ・・」 「なら、下の奴らにでも調べさせてるんだろうな?」 「・・・・」 「はっ。守る自信があるとか豪語しておいて聞いて呆れるな」 悔しそうに拳を握る湊にバスタオルを投げてやる。 「昔からそうだ。物事を楽観視しすぎる面がある。詰めが甘いんだ。もっと慎重になれ。大事なものが逃げていくぞ」 ー・・これはある意味で自分への言葉でもある。
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