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「言い訳はいい。あかりの二の腕に深い爪痕がついていた。クラスの女が怪しいな、調べろ」
話は終わったとばかりに切り上げてソファーへと向かう。
相変わらずどこを見ているかわからない瞳に光はない。
湊が遠慮がちにこちらにくる気配がする。
「湊・・心配なのはわかる。今の状況に動揺しているだろ?
だが、周りが焦ったりいつもと違う態度に出たとき、更に動揺するのは他でもないあかりなんだ。
こういう時は辛くても周りはいつも通りに接してやらないといけない。・・わかるな?」
ポンと肩を叩いて少し席を外してやる。
ー・・湊は高校生で、俺からすればまだまだ子供だ。
だがこんな事でへばるような奴じゃないだろ?
立ち上がる強さも、前に進む勇気も持ち合わせているはずだ。
ー・・お前はもっと強くなれる。
Side 凪 End.
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